何十年も教科書では、舌の部位ごとに甘味・酸味・塩味・苦味を担当すると教えてきました。実は舌全体がすべての味を感じられます。

学校の生物の教科書に、舌尖は「甘い」、奥は「苦い」、横は「酸っぱい」「塩っぱい」という図を覚えているかもしれない。あの地図は完全に間違っている。
誤りは 1901年 に始まった。ドイツの科学者 David Hänig が、舌の部位ごとに特定の味への感度がどう違うかの論文を発表した。感度のごくわずかな差を見つけたが、データは紛らわしいグラフで示された。1940年代、アメリカの心理学者 Edwin Boring がそのグラフを誤解し、今日見る「地図」を作った。シンプルで教えやすかったため、75年以上教科書に残った。
舌は乳頭という小さな隆起で覆われ、その中に味蕾がある。各味蕾には50〜100の受容体細胞がある。重要なのは、どの味蕾も甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五基本味を検出できることだ。ある領域が特定の味にやや敏感なことはあるが、舌の奥で砂糖を、舌尖で苦味を感じることは十分できる。
味は舌だけではない。食べると受容体が脳に信号を送る。脳はそれを鼻(嗅覚)や食べ物の食感の情報と合わせて「風味」の体験を作る。
味覚地図は「ゾンビ科学」の典型だ。間違った情報が繰り返し伝えられる。舌は統一された味見マシンで、どの部分もあなたの食べるおいしいものを味わう準備ができている。